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2006年10月21日 (土)

イドメネオ

新国立劇場のニュープロダクション、プレミエです。

♪W.A.モーツァルト:「イドメネオ」

指揮:ダン・エッティンガー
演出:グリシャ・アサガロフ
美術・衣装:ルイジ・ペレーゴ

イドメネオ:ジョン・トレレーヴェン
イダマンテ:藤村 実穂子
イーリア:中村 恵理
エレットラ:エミリー・マギー
アルバーチェ:経種 廉彦
大祭司:水口 聡
声:峰 茂樹

管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

全くCDなどで予習せずに初めて観て、聴いてきましたが、とても美しい作品で、3時間楽しめました。作品全体を通してゆっくりとした演奏だったと思うのですが、飽きも来ず、間延びもせず、指揮者の力量が感じられます。今日は(!)東フィル良かったですね、特に弦が美しかった。管(特に金管)がもう少し堂々とした感じだとバッチリなのですが。

幕が開いて、まずはイーリアの独唱。中村さんは美しい声で、捕われの身でありながら敵国の王子を愛してしまう葛藤を見事に歌っていました。そして、お目当ての藤村さん登場。ズボン役でかつイタリア語と、いままで観てきたドイツオペラのイメージと異なる役柄ですが、歌の安定感はバッチリでした。立居振舞などは、やはり女性らしさが出てしまい、とても若い繊細な王子様といったところでしょうか。歩き方とか、難しいのだと思いますが、もう少し雄雄しいと良かったかも。とはいえ、一流の日本人歌手達をここ新国立で聴けるということがとても嬉しく、幸せに思いました。

今日の舞台を観て思ったのは、日本人と西洋人の喜怒哀楽の表現はやはり違うのだろうなぁ~ということ。日本人歌手のお二人は、悲しみの表現はとても上手なのですが、怒りや喜びの表現は控えめに感じられます。

例えば、トレレーヴェンが岸辺でイダマンテを拒む時には苦悩の感情がハッキリと表れていて、拒まれたイダマンテの困惑まで浮き彫りにされる感じがしますし、エレットラが嫉妬を表すところなどは、悔しさ、憎さが混じった、女性特有の(?)ドロドロした気持ちが手に取るように感じられました。

それに比べると、3幕でイダマンテとイーリアがお互いの気持ちを確かめあい、愛の喜びを歌うシーンは清らかに歌っているものの、命を失うかもしれない時に感じる愛といった激しさは全然ないんですよね。ラストシーンでも、エレットラが連れ去られた後、二人は海神の神託により結ばれた喜びに浸る、というよりも突然の展開に戸惑いつつも新たな道へ歩みだす決意をする、という雰囲気がありました。もちろん演出の意図もあると思いますが。(もしも演出家がアメリカ人だったら、ラストはただ愛の喜びにひたりまくると思います....。)

そういうわけで、多少物足りなさを感じる部分もあったのですが、全体を通じてとても良く出来たプロダクションだと思います。合唱も良かったし、演出もシンプルでした。あと、今回のプログラムは読み応えがありました。作家の阿刀田高さんの文章まで出ていたので驚き。もっとギリシャ神話について、知りたいと思わせる充実した内容で、800円はお買い得。新国立劇場、次は何を観に行こうかな~。

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コメント

観て参りました。
新国立劇場のプレミエとしては、高水準でしたね。毎回このレベルだと良いのですが・・・。
私はイーリアに負けたエレットラに同情しちゃいました(泣)。

投稿: まーもと | 2006年10月22日 (日) 22時24分

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